子供の病気
◎性器・おしりの病気
○鼠径ヘルニア ○停留睾丸(精巣) ○陰嚢水腫
○亀頭包皮炎 ○包茎 ○外陰部膣炎
○肛門周囲膿瘍
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***** 鼠径ヘルニア *****

    腸の一部が鼠径部に飛び出す病気です。
   赤ちゃんの場合、泣いたりいきんだりして腹圧がかかると、足の付け根や
   陰嚢がふくらみます。片側だけということが多いですが、
   1割くらいのケースは、両側の鼠径部に起こります。
   この病気は男の子に多い病気ですが、女の子にも見られます。


 
症状は?>サインは泣いたりいきんだりしたとき、鼠径部がふくらむことです。
   飛び出した部分は多きいときにはピンポン玉くらいで、男の子の場合
   は陰嚢までふくれることもありますが、さわっても痛みはありません。
   このサインが出る時期には個人差があります。生後すぐに見つかるこ
   ともありますし、あんよが始まり、腹圧がかかって気づくこともあり
   ます。ときには、小学生になってスポーツを始めるまで気づかないこ
   ともあります。


 
<治療は?>生後3ヵ月くらいまでに発症、発見された鼠径ヘルニアは、
   1才ころまでに約2割が自然に治ってしまいます。
   その時期を過ぎても出ているものは、自然治癒はほとんどありません
   でも、泣きやんだり、おなかの力が抜けたときに自然に戻る、ふくら
   んだ部分を手で押すと引っ込む・・・などの状態でしたら、急ぐ必要
   はありません。
   引っ込まなくなって緊急手術が必要な状態
(嵌頓ヘルニア)
に気をつ
   けていれば1才くらいまでは経過を見てよいでしょう。

   手術は、腸が飛び出す原因の出口をふさぐ簡単なもので、10〜30
   分で終わります。日帰りでも可能ですし、入院する場合でも数日で
   退院できます。


 
自宅でのケアは?>いちばん問題なのは、嵌頓ヘルニアです。
   これは飛び出した腸が出口の根元で締め付けられてしまう状態で、
   強い痛みがあるので、赤ちゃんは突然火がついたように泣き出します。
   めったにあることではありませんが、こうなると緊急手術が必要です。
   そのため、いまは時期を見て早めに鼠径ヘルニア
   そのものを治す手術を行うのが一般的です。




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  ***** 停留睾丸(精巣) *****

    男の子の睾丸は、胎児のころ、赤ちゃん自信のおなかの中でつくられ、
   出産間近になると腹膜鞘状突起という通り道を通って、おなかの中から
   陰嚢(睾丸を包む袋)の中におりてきます。
   ところが、なんらかの事情で睾丸が完全におりずに、途中で止まってし
   まうことがあり、この状態を停留睾丸といいます。
   停留睾丸は片側だけの場合もありますが、ときには両側の睾丸がおりて
   こない場合もあります。
   また、睾丸が鼠径部と陰嚢の間を行ったり来たりする、移動性睾丸も
   あります。
   しかし、これらは生まれたばかりの赤ちゃんにはよく見られるもので、
   そのままにしておいても1才ごろまでに自然とおりてくるケースも少な
   くありません。


 
<症状は?陰嚢にさわってもコリコリした丸い感じの睾丸がふれなかったり、
   睾丸が鼠径部(足の付け根)付近で上がったり下がったりすることで気
   づきます。
   これは、生まれたばかりの赤ちゃんにはよく見られる状態ですが、
   こわいのは、睾丸が移動している途中、睾丸が回転してねじれてしまう
  (精巣捻転)です。痛みで赤ちゃんははげしく泣くので、この場合は
   大至急病院へ。



 
<治療は?多くは経過を見ることのなりますが、1才過ぎても睾丸が
   降りてこない場合は少し心配です。
   両側の停留睾丸ということがわかったら、6ヶ月以降から1才までに
   手術を行う病院が増えています。
   手術は全身麻酔で行われ、精巣ひとつで40分程度で終わる簡単なも
   のですが、2〜3日の入院が必要です。




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  ***** 陰嚢水腫 *****
 
    腹部からおりてきた精巣(睾丸)は膜に包まれていますが、この膜に
   水がたまるたまる病気を陰嚢水腫といいます。
   ふくれるのはふつう片側の陰嚢だけです。
   赤ちゃんには痛みもかゆみもありません。陰嚢は大きくふくらみ、
   さわるとやわらかく、プヨプヨしています。


 
<症状は?この病気は鼠径ヘルニアとまちがえやすいのですが、
   陰嚢水腫は中にたまっているのが水なので、暗いところで陰嚢に
   懐中電灯を当てると透けて見えます。


 
<治療は?陰嚢にたまった水は、自然に体内に吸収されることが
   ほとんどなのでとくに治療の必要はありません。
   しばらく様子を見てみましょう。




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  ***** 亀頭包皮炎 *****
 
    亀頭(ペニスの先端部)や包皮(ペニスを包んでいる皮)に、細菌が
   感染して炎症を起こす病気です。
   赤ちゃんのペニスは生まれつき包茎がほとんどで、ふだんは亀頭が露出し
   ていないため、よごれがたまりやすいのが原因です。
   男の子には比較的よくみられる病気です。



 
<症状は?亀頭や包皮が赤くはれ、おしっこのときに痛がったり、
   かゆがったり、ときには出血することもあります。
   パンツにうみがついて気づくこともあります。
   放っておくと細菌感染が尿路へ広がることもあるので、気づいたら
   早めに受診しましょう。


 
<治療は?治療は炎症を起こしている部分を消毒して、抗生物質の
   軟膏を塗ります。抗生物質の飲み薬が使われることもあります。


 
<自宅でのケアは?治ったあとも再発しないように、清潔に心がけましょう。
   お風呂では、楽にむける部分まで包皮をむき、お湯で洗います。
   無理にむくと出血したり、包皮がもとに戻らなくなるので、
   ていねいにしましょう。
   また、おむつはいつも清潔に、汚れたら早めに換えましょう。




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      ***** 包茎 *****     
 
    包茎とは、亀頭が包皮でおおわれていて、亀頭が見えない状態をいいます。
   赤ちゃんのほとんどが包茎で、ふつうは包皮で亀頭が見えませんが、そーっと
   むくと、たいていは亀頭が半分くらいは見えてきます。
   また、包皮の先端のすぼまりが多少強くても、そっとむいてあげることを繰り
   返していると、すぼまりがゆるくなっていくものです。でも無理は禁物。
   包茎には、手でむけば亀頭を出すことができる
「仮性包茎」と包皮の先端の
   穴が小さすぎて、どうしても亀頭を出すことができない
「真性包茎」とが
   あります。おしっこをするときに、尿が包皮の先端にたまり、風船のように
   ふくらんでから排出されることも特徴です。



 
<症状は?仮性包茎は、とくに治療の必要はありませんし、強引に治す必要も
   ないでしょう。お風呂に入れたときに、無理のない程度に包皮をむ
   いて洗い、内側に汚れをためないようにしてあげましょう。
   真性包茎は自然に治ることはないので、1才以降に判断し、手術の相談を
   するとよいでしょう。手術は15分程度で終わる簡単なものです




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  ***** 外陰部膣炎 *****

    これは外陰部から膣に細菌が感染するもので、女の子にはよくある
   トラブルです。
   女の子の性器は汗をかきやすいうえ、おむつや下着の中は、おしこやうんち
   のせいでいつも湿っています。そこにブドウ球菌や大腸菌が繁殖して炎症を
   起こすことが原因です。



 
<症状は?外陰部が赤くはれたり、黄色や血液がまじったおりものが出ます。
   おりものは臭うこともあり、ときにはうみが出ることもあります。


 
<治療は?外陰部を清潔にして、抗生物質の軟膏を塗れば治ります。
   予防のためには、ふだんから外陰部を清潔にすることも心がけてく
   ださい。
   細菌感染は、おしりの拭き方が悪かったために起こすこともあります。
   うんちを拭くときは前から後ろへ拭き、汚れが外陰部につかないよう
   にしましょう。
   また、お風呂のときは、性器のひだの中まで洗い流すように習慣づけましょう。




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  ***** 肛門周囲膿瘍 *****

    肛門のまわりにできるおできのことです。
   下痢などの便汁が、肛門の内側から肛門のまわりの皮膚にしみ出し、
   便汁に含まれる大腸菌や腸内細菌によって細菌感染して、炎症を起こします。
   赤ちゃんの皮膚は弱く、うんちもゆるめなので、肛門に炎症が起きやすいの
   です。


 
<症状は?肛門の周囲が赤くなり、はれてうみがたまったり、さわるだけで、
   ひどく痛がります。
   さらに細菌が繁殖すると、そら豆大にまではれ上がり、その表面の一部が
   自然に破れてうみが出てくることもあります。


 
<治療は?うみが出ている場合は、指でそっと押し出して、うみを外に出す
   ようにします。膿瘍は肛門の内側にできているので、外側から軟膏をつけて
   もあまり意味がありません。
   うみの出口がなかったり、はれ上がっている場合は切開が必要になります。
   また、抗生物質の飲み薬を処方されることもあります。


 <自宅でのケアは?家庭では下痢にならないように注意しながら、肛門を
   清潔にすることを心がけて。
   おしりは、おむつ交換のたびにあたたかいお湯でよく洗ってあげましょう。





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