子供の病気
◎小児がん
○白血病 ○ウィルムス腫瘍
○急神経芽細胞腫 ○網膜芽細胞腫
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      ***** 白血病 *****

    白血病は、血液中の造血細胞(白血球、赤血球、血小板のもとになる細胞)
   が異常に増殖する病気で、一部に放射能の被爆、染色体の異常、ウイルス感染
   などにより発症すると考えられますが、ほとんどの場合原因は不明です。
   どものがんの約半分を占め、なかでも乳児から小学生にかけての発症が多く
   見られます。


 
<症状は?白血病には細胞の種類によって、リンパ性、骨髄性、単球性などの
   種類があり、子どもの場合は大部分がリンパ性白血病です。
   とくに2〜3才の幼児に多く見られるようです。

   症状はまず、元気がなくなり、顔色が悪くなる、発熱がある、食欲がないなど、
   かぜなどの急性の病気とよく似た症状があらわれます。
   また、これに加えて、貧血、関節痛、皮膚の出血班があると、血液の病気が
   疑われることになります。
   さらに、白血病細胞がリンパ節、肝臓、脾臓などで増殖するので、これらの
   臓器がはれてしまうこともあります。

 
<治療は?まず診断には、血液検査だけでなく、胸骨や腸骨に針を刺し、
   骨髄液を採取して細胞を調べる骨髄穿刺が必要です。
   白血病は全身の造血器の病気のため、手術や放射線治療などの局所的な
   治療は主役ではありません。おもに抗がん剤を使った化学療法を行います。
      
   治療の第一目標は、抗がん剤で全身に広がっている白血病細胞を減らし、
   骨髄を正常にもどし、造血機能の回復をはかることです。
   これがうまくいくと、血液学的にも臨床的症状も、健康な子どもと同じ
   状態になります。これを寛解状態といい、ほとんどの場合は一度は
   この状態になることが可能です。
   ただし、体の中にはまだ白血病細胞が残っているため、ここで治療を
   やめると1年前後で元の状態に戻ってしまいます。
      
   そこでこの寛解状態をできるだけ長引かせ、白血病細胞を絶滅させる
   ために、さらに強化した化学療法を行います。
   このように寛解状態を維持することが、第二目標です。
      
   第三目標は、治療中に起きるさまざまな合併症に対する適切な治療を
   行うことです。
   頭蓋内に進入した白血病細胞が引き起こす髄膜炎のような症状、ふだ
   んはあまり病原性のない細菌による全身感染、ウイルスやかびによる
   感染、血小板が減少することが原因の出血などをできるだけ防ぐ治療
   が、この段階で行われることになります。

   また、薬だけでは寛解状態にするのはむずかしく、再発することが予
   想される場合は、骨髄移植という方法をとることもあります。
   白血病は、治療法が格段に進歩し、最近では子どもの急性リンパ性白
   血病の場合、ほとんど治癒と同じに考えられる5年間再発なしの生存
   率が70%以上、急性骨髄性の場合、50%以上というデータがあり
   完全に治癒することがたいへん多くなりました。





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      ***** ウィルムス腫瘍 *****

    腎芽腫のも呼ばれるおなかのがんです。
   胎児期に腎臓ができる過程で、細胞が変化して腫瘍が発生するといわ
   れています。

   変化してしまう原因は不明ですが、家族に同じ病気がみられ、遺伝的な
   原因が考えられる場合もあります。
   多くの場合、腎臓の片側にできますが、左右両方にみられることもあります。


 
症状は?>腫瘍はかなり大きくならないと症状があらわれませんが、
   おなかがふくらんでくることで気づかれることが多いようです。
   腹痛や血尿、肺に転移したことによるせきや呼吸困難をともなうこと
   もあります。


 
治療は?>腫瘍のできる子どものがんの中で、もっとも治療成績が
   よいので、2才以下で早期のものならば、腎臓を摘出するだけで、
   抗がん剤や放射線治療をしなくても完治することもあります。




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      ***** 神経芽細胞腫 *****

    原因は不明ですが、交感神経節から発生するがんで、約7割が3才まで
   に発症しています。
   腎臓の上にある副腎から発生することがもっとも多く、その場合、おなかに
   しこりがあることで気づきます。


 
症状は?>おなかのしこりのほかに、顔色が悪い、体重が減る、イライラする
   などの状態が見られるほか、子どもによっては、腹痛、呼吸困難、眼球の突出、
   皮下のしこりなどもあるようです。
   がんが背骨の近くから発生すると、腫瘍が脊髄を圧迫し、急激な下半身のマヒ
   が起きることもあります。


 
治療は?>早い時期から転移を起こしやすいため、発見したときはすでに手遅
   れとなっているケースも残念ながらあります。
   とにかくできるだけ早く発見し、原則的には手術で腫瘍を摘出し、
   抗がん剤の投与、放射線治療を行うことが第一。
   早期発見のために、マススクリーニングという検査があります。
   また、日頃からお風呂に入ったときなどに子どものおなかをさわり
   しこりがないかどうか、チェックする心がけも大切です。




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      ***** 網膜芽細胞腫 *****

    腫瘍が白色なので、瞳孔(黒目の部分)が白く光って見えることで
   気づく場合が多い目にできるがんです。
   斜視や視力低下、充血をともなうこともあります。
   多くは片目だけに起こります。

 
<治療は?このがんは、進行して脳に転移すると、頭痛や嘔吐を起こします。
   腫瘍が大きい場合は、手術で眼球を摘出したあと、化学療法や放射線
   照射が行われます。
   最近は眼球をとらずに、放射線やレーザーを使って保存的治療をする
   ことも多くなってきました。摘出を避けるために、なるべく早く気づ
   いてあげることが大切です。




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